ここでは口臭に効果の期待出来る断食の具体的なやり方について解説します。
断食という行為は文字通り、食を断って体が本来持っている自然治癒力を活かそうということです。
足りないビタミンやミネラル、栄養を補おうという分子栄養学とは真逆の考え方ではありますが、糖質制限やタンパク質中心の食生活ではうまく口臭が改善しないという場合に非常に効果的なことがあるため、ここでやり方を簡単に紹介致します。
断食療法で有名なのは西式健康法や甲田療法などが有名ですが、それらの方法とはまた違ったやり方になります。いずれにしても自己責任になりますから、無理のない範囲で実践して下さい。
常に断食をする
当方の推奨する断食の一番の特徴は常に断食をするというものです。略して常断食です。(私が勝手に作った造語です。)
通常、断食といえば半年に1回やろうとか1年に1回頑張る!とか回数が決まっていると思います。
ただ、残念なことにこの程度のスパンでは蓄膿型や上咽頭炎型などの慢性的な酷い口臭を改善させることは難しいです。
断食療法の大家である甲田先生も生前に、慢性副鼻腔炎などの難治性の病気がある場合には数回の断食では改善が難しいと仰っておりました。
そこで常に断食を食生活に取り入れようというのが今回の断食方法です。
具体的には1日おき、もしくは2日おきに1回だけご飯を食べるという方法です。
1日おきにご飯を食べるとは?
1日おき?どういうこっちゃ?と思うかもしれませんが、話は単純です。
2日あるとしたら1日目はご飯を食べずに2日目だけ1回ご飯を食べるということです。
これだけで1日断食をしたことと同じになります。
1ヶ月続けたら15日間、断食したということです。
もちろん、1日おきではなく15日間続けて断食をした方が効果は大幅に高いです。
でもその場合には15日間の辛い断食が終わった後は通常の食生活に戻りますよね?
そうすると結局口臭は元通りになってしまう可能性が高いです。また15日間断食するとなると断食の専門道場で行うべきであり、時間とお金が大幅にかかってしまいます。
この1日おき断食の場合には気軽に自分で取り入れられる上に、この食生活がスタンダードになれば今後、常に断食の効果を取り入れることが出来るようになるということです。
常断食のやり方
準備食や回復食の代わりに1日1食に慣れる
常断食の場合、1日おきの断食になりますので準備食期間や回復食期間というものがありません。
そのため、まずは1日1食だけ食べるという食生活から始めます。
1日1食だけでは残念ながら口臭に大きな効果は見込めません。そのため、以前はマニュアルでも紹介していた食事法でしたが、ブレレボでは削除しておりました。
しかし、常断食の前段階としては非常に有効な方法です。
いきなり断食を取り入れるのは無謀な行いになるので、まずは1日1食の食生活に慣れるようにして下さい。
1日1食に慣れる方法
1日に3食しっかり食べている人にとってはいきなり1日1食にすることすら厳しいと思います。
そこで、まずは1日2食にしてみましょう。お勧めは朝ご飯を食べないようにすることですが、夕飯を抜きたい人は夕飯を抜いてもいいし、昼飯を抜いてもいいです。
1日2食程度ならば苦もなく取り入れることが出来るようになります。
これに慣れてきたら1日1食だけ食べるようにしましょう。お勧めは夕飯だけを食べる方法です。
ご飯を食べると血糖値が上がって眠くなったり集中力が欠如したりします。なので、1日1食の選択を夕飯にすることで、仕事を終えた後でご飯を食べて食後もリラックスした時間を過ごすことが出来ます。
1日1食に何を食べるべき?
1日1食となった場合、何を食べるべきか迷うと思います。
基本的には極端な糖質過多とかでなければ、野菜をしっかり摂取していれば他は何を食べてもOKです。
糖質制限しなくて良いのか?という話ですが、基本的には糖質制限でどうしても上手くいかない方にお勧めの方法なので、糖質制限をする必要はありません。
1日1食に慣れてきたら2日に1食にする
1日1食で特に問題もなく生活が送れるようになってきたら次は2日に1食にします。
この2日に1食に移行するまで概ね1日1食の生活を3ヶ月~半年くらいはかけた方が無難だと思います。
2日目は2食3食と複数回食べては駄目?
基本的には2日に1回だけの食事が推奨です。
理由としては内蔵を最大限休ませるためです。2日に1食にすれば実質、48時間近くも断食をすることが出来ます。
内蔵をしっかり休ませるにはこのくらいの時間が最低でも必要とされています。
効果が見込める断食期間が概ね3日からと言われているのも、この内臓を休ませるために必要な期間が最低2日だからということです。
2日目に複数回食事を取ってしまうと、効果が半減してしまう恐れがあります。
しかし、そうは言っても2日に1回だけの食事では体が心配だ、と思うでしょう。
そこで、必要な栄養だけは摂取するようにします。
1日目にプロテインかアミノ酸、青汁を摂取
2日に1食にした場合、1日目にプロテインかアミノ酸の摂取と青汁の摂取を推奨します。
これは2日に1食だけになると、どうしてもタンパク質を始めとする栄養が足りなくなってくるためです。
半年、1年と長く続けて習慣化させるためには、健康増進、体調の維持は不可欠ですので、栄養はしっかり摂取して下さい。
ポイントとしては、固形物を取らないようにすること、です。
プロテインが飲み物なのかと言われると議論が分かれるところですが、私は飲み物としてOKだと思っています。
プロテインにするかアミノ酸にするかの選択ですが、プロテインで口臭がかなり悪化してしまう人はアミノ酸の摂取を推奨します。
必須アミノ酸が全て含まれているEAAが最も良いと思います。プロテインで特に問題ない方は安価ですのでプロテインでOKです。
鳥肉や卵、プロテインバーなどは固形物ですのでNG、となります。
青汁の作り方
青汁はビタミンやミネラル、特にカルシウムの摂取に欠かせません。
青汁に使う野菜は緑黄色野菜なら何でもOKですが、基本的には緑の野菜を中心にしましょう。
パセリ、モロヘイヤ、小松菜、ケール、キャベツ、レタス、ほうれん草、チンゲン菜、人参の葉、セロリ、大葉、春菊、シソ、水菜など
以上の野菜のうち3種類以上を混ぜて作ります。飲みにくい場合には少量のりんごを入れてもOKです。
(ほうれん草はシュウ酸が多いので、大量摂取はお勧め出来ません。他の野菜は特に問題ないです。)
そして、少量の塩も入れましょう。食事の回数が減ることで塩分摂取も積極的に行った方が良いです。
野菜はジューサーにかけてジュースにするか、ミキサーでグリーンスムージーにしてもOKです。
グリーンスムージーの場合には正確にはドロドロ固形であり水分ではないのですが、むしろ口臭抑制に効果が高いくらいなのでスムージーでもOKです。
サプリメントじゃ駄目?
サプリメントはこの常断食では推奨しません。
でも青汁だと値段も高いしサプリメントや粉の青汁じゃ何で駄目なの?という話ですが、私はやはり生野菜から作る青汁を推奨します。
サプリメントだとカプセルが消化の負担にもなりますし、何よりも食事の回数を減らすことで体が飢餓状態で栄養を求めているので、できるだけ自然なものを摂取するべきと考えます。
青汁を摂取することにより腸内環境改善の役割を果たしてくれて、極端な体重減少も防いでくれます。
何よりも生野菜から作った青汁を摂取した方が口臭改善効果が高いから、ということも大きな要因です。
マニュアル本編にあるような栄養を大量に摂取するというやり方ではなくて、出来るだけ無駄なものを削ぎ落としていき必要な栄養だけしっかり摂取するという方法だと思って下さい。
プロテインやアミノ酸も邪道じゃない?
これに関しては仰る通りです。プロテインやアミノ酸もどちらかというとサプリメントのカテゴリに入ると思います。
しかし、青汁からは大量のタンパク質やアミノ酸は摂取出来ません。
卵や鶏肉をミキサーにかけてドロドロにする猛者もいるようですが、めちゃくちゃマズイです。
そんな辛い思いをするくらいならば、プロテインやアミノ酸でいいんじゃないか?というお話です。
最終的な目標は口臭の改善なので、そのゴールにはプロテインやアミノ酸は大きな弊害では無いと考えています。
(プロテインで口臭悪化する人は一定数いるのでその場合にはアミノ酸で摂取して下さい。)
1日目の栄養摂取まとめ
タンパク質やビタミン、ミネラルなどを液体から摂取する。
プロテインやアミノ酸(EAA)でタンパク質を摂取し、青汁でビタミンやミネラルを摂取する。少量の塩を摂取することも忘れずに。
2日目の食事は好きなものを食べてOK
基本的には2日目の1度だけの食事は好きなものを食べてもらって良いです。
糖質制限をする必要もありません。
これだけしっかりと内蔵を休めることが出来れば、好きなものを食べても効果が出る可能性が非常に高いから、です。
お勧めは糖質は酵素玄米で摂取すること、です。
酵素玄米とは発芽玄米と小豆で炊いたご飯を3日以上炊飯器で寝かせたご飯のことです。
もっちりとしていて栄養価も高く、また消化にも良いので2日に1食には最適の炭水化物です。
2日に1食で体重が減りすぎないか心配
太りやすい方やすでに太っている方はダイエット効果も期待出来て一石二鳥な常断食なのですが、問題は痩せ型の人です。
2日に1回しか食事をしないので、どうやっても体重を維持する分のカロリー摂取は物理的に難しいです。
そこで、痩せ型の人は意識的に1日目に摂取するプロテインや青汁をしっかりと摂取するようにして下さい。
プロテインは脂肪になりやすいため、体にカロリーが少ない状態でも体重減少を防いでくれます。
また青汁(グリーンスムージー)を摂取することで腸内環境が良い方向に変化してくれて、原理は分かりませんがこちらも過度な体重減少を防いでくれます。
摂取したカロリーよりも消費したカロリーが多ければ脂肪や筋肉が分解されて体重は減っていくというのが常識なのですが、青汁によってそれだけでは説明出来ない現象が起こるということです。
腸内環境が飢餓に順応して栄養を腸内で作り出しているのでは?など色々言われていますが原因は不明です。
ただ、摂取カロリーが少ないのに体重がある程度減ると下げ止まって、それから少しずつ体重が増加するということは珍しくありません。
それでも体重が減ってしまってBMIが15を切ってしまうとかになると健康に差し支える可能性があるため、体重が減りすぎてしまって心配な場合には1日1食に戻すなどの対策をして下さい。
2日に1食でも効果が無い場合には3日に1食にする
もしも2日に1食でも効果が見られないという場合には3日に1食にしてみます。
習慣的な食生活としてはこの3日に1食までが限度になってくるでしょう。
これ以上になるとさすがに体重の維持が厳しくなってきて、そうとう特殊な体質の方で無い限り続かないと思います。
3日に1食までならば、プロテインやアミノ酸、青汁をしっかり摂取すれば何とか可能な範囲だと思います。
3日に1食にすることで固形物が入ってくるのは約72時間置きということになります。
これはもはや立派な断食レベルですので、こうなるとほぼ毎日断食をしているような状態になってきます。
実際に私もやってみましたが、体重の維持も出来ましたし、集中力の増加、感覚が研ぎ澄まされる感じなど断食に近い効果も感じました。
試してみたのは1ヶ月程度ですが、また折を見て3日に1食生活をやってみようと思っています。