1%塩化亜鉛水溶液の作り方と個人購入の仕方

アストリンゴゾールでのBスポット療法に慣れてきた、という場合にはさらに濃度を上げた方が効果が高くなります。

口腔内、特に上咽頭と鼻の炎症度にもよるのですが、アストリンゴゾールの原液では塩化亜鉛の濃度が足りないケースもあります。

アストリンゴゾールの塩化亜鉛は0.46%程度ですが、一般的なBスポット療法の濃度は1%で最大で2%まで上げる病院もあり、このくらいまで濃度を上げないと炎症を改善させられない場合もあるのです。

よくあるケースとして、アストリンゴゾールの原液でのBスポットでしみなくなったので炎症は無くなったと判断したものの、実は炎症は残っていて塩化亜鉛1%を上咽頭に塗布したらかなりしみて炎症が残っていることが分かった、というものです。

このようなことがあるのでアストリンゴゾールだけで上咽頭炎を判断するのではなく、必ず1%の塩化亜鉛で上咽頭炎を判断することが望ましいです。

炎症が残っているとそこに口臭原因が残っている可能性が高く、臭いが改善されにくくなります。
また、アストリンゴゾールの原液には塩化亜鉛だけでなく、様々な成分が含まれておりそれらがどのように喉に作用するか長期的には分かりません。
(元々、アストリンゴゾールはかなり希釈して使用するうがい薬なので喉に塗布するものではありません。)

塩化亜鉛1%水溶液の上咽頭への塗布は、最近はそれなりに多くの耳鼻咽喉科で取り入れられており保険も適用される治療法です。
アストリンゴゾールよりも副作用の懸念が少なく安全性が高いと考えられます。
以上のことから、Bスポット療法を長期的に続けていく(目安としては半年以上)場合には塩化亜鉛水溶液の使用を検討して下さい。

医者に通うという選択肢を除くと、塩化亜鉛自体を入手する必要があります。
ここでは塩化亜鉛の入手方法について解説します。

塩化亜鉛の入手に関して

当方ではすでに10年以上前に塩化亜鉛を入手しており情報が古いため、現在、入手している人がいるのか(入手が可能なのか)を調べてみました。

そうすると以下の記事が見つかりました。
記事は2017年1月のものだったので、少なくとも購入も2016年程度と予想されます。

以下、ブログ天想オルガノンより引用

塩化亜鉛(Zinc Chloride)の購入

私は自分で溶液を作るため塩化亜鉛を入手する方法を探すことにしました。
調べてみると数年前の情報ですが、薬局で身分証明書と印鑑があれば買えるとの事だったので、近くの薬局さんに行って聞いてみました。

すると年輩の薬剤師さんに「うちでは扱っていない。欲しいと言う人を見たことがない。何の目的で使うの?ここらではどこに行っても扱ってないと思うよ。」と訝しんで言われてしまいました。笑

しかし諦めつつ1軒1軒周ると最後の薬局さんで扱っていました。
劇薬?劇物?取り扱いの資格のある薬局なら取り寄せてもらえるそうです。

途中のドラッグストアで聞きましたが、チェーンのドラッグストアではまず扱っていないそうです。
私が注文できたのは“○○堂薬局”のような名前の昭和初期創業の老舗さんでした。

但し薬局さんによっては、はんだ付け用のフラックス(はんだを付け易くする薬剤)といった用途などでないと取り寄せてもらえないとの説もあります。

塩化亜鉛溶液を作る

塩化亜鉛1%の水溶液を100ml作ります。

用意する物

塩化亜鉛(粉末)、精製水、100ml以上の空瓶、スポイト、透明のコップ、かき混ぜ棒、スプーン、吸い込み防止のマスク、ビニール手袋

粉末を吸い込んだり皮膚に付けると劇薬なので危ないです。まずマスクや手袋をします。
塩化亜鉛は非常に水に溶けやすいので、沸騰させたりしなくても溶けますが水を温めた方がより溶けやすいと思います。

手順

塩化亜鉛100%の溶液を1ml作る。3mlほどのお湯をコップに入れ、スプーンで塩化亜鉛をコップに入れ、かき混ぜ棒で混ぜながら溶けなくなるまで溶かしていく。

できたら上澄みをスポイトの目盛りで1ml、空き瓶に移す。
99mlの精製水か生理食塩水で薄める。
私はソフコンプラスというコンタクト用生理食塩水で薄めました。

ですがちょっと沈殿物が出来たので精製水ならできないかもしれませんがまだ試していません。
100mlでも恐らく数週間持ちますので、無くなってもまた必要ならその都度作った方が良いかと思います。
ちなみに粉末は500gありますが、微量しか減らないので一生使いきれない量です。
しかし先述の通り薬事法があるので人に分けたりはできません。

<引用ここまで:ブログ天想オルガノンより引用>

※こちらの引用した方法では塩化亜鉛の飽和水溶液を作り、それを100%の塩化亜鉛水溶液と換算しているようです。
ブログへのコメントによると、この方法だと実際には0.7%程度の塩化亜鉛水溶液が作られるようです。
実際には99mlの精製水に1グラムの塩化亜鉛が入っていれば1%の塩化亜鉛水溶液になります。
つまり、このような複雑な工程を加える必要はなくて、単純に99mlの精製水に1グラムの塩化亜鉛を加えればOKということです。

塩化亜鉛入手のポイント

この記事にあるようにマツモトキヨシのような一般的なドラッグストアでの塩化亜鉛の取扱いはまずありません。

劇物取扱の資格がある薬局で尚且つ、その薬局の方が塩化亜鉛の取り寄せを許可してくれる必要があります。

最近、物騒な世の中なので、どのような用途で使われるかも分からないとなると劇物を取り扱える薬局でも取り寄せを断る可能性は十分にあります。

上記、記事にあるように大きな薬局ではなく、個人で経営しているような古い薬局の方が可能性があると思います。

そして、使用用途を聞かれたら鉄道模型のはんだ付け用のフラックスに使いたい、と答えると良いと思います。
(この記事の方は特に何も聞かれなかったのか、その部分には言及してないですね。)

塩化亜鉛は鉄道模型のフラックスによく使われていて、塩化亜鉛水溶液はフラックス用として実際に販売されています。

鉄道模型用の塩化亜鉛水溶液は水溶液として薄められているので劇物指定がなく普通に購入が可能なのですが、塩化亜鉛の含有量(パーセンテージ)が分からないため、この水溶液をBスポット療法用に使うことは出来ません。

また、場合によっては薬剤師の方がフラックス用の塩化亜鉛水溶液は普通に買えるということを知っていて、それを勧めてくるかもしれません。

その時は、市販の塩化亜鉛溶液は飽和溶液ではなくかなり濃度が薄いため、こだわりのある自分としてはフラックスとして使いにくい、塩化亜鉛の濃度を自分で自由に調節したいから原料の塩化亜鉛が欲しい、と言ってみましょう。

これでも無理と言われたら諦めて下さい。

正直にBスポット療法という喉の治療に使うと申告しても良いのですが、この場合には断られてしまう可能性が高くなると思います。
(一般的な用途ではなく、劇物を喉に塗るなんて相手からしたら想像も出来ないからです。)

逆にはんだ付け用のフラックスとしては塩化亜鉛は一般的なものなので、薬剤師の方もそれを把握していて(以前に注文者がいて)、すんなり取り寄せてもらえる可能性があります。
使用用途で嘘を言うのはちょっとなと思うかもしれませんが、はんだ付け用に使う可能性が今後0%では無い以上、完全な嘘は言っていないのですから気にする必要はありません。

塩化亜鉛は劇物指定のため、個人使用は認められていますが他人への譲渡は認められていません。

そのため、当方が会員様に分けることも出来ないので、必ずご自分で入手して頂く必要があります。
1ビン、500グラムですので一度、入手してしまえば軽く20年以上は持ちますし、数千円程度なのでそれで数十年使用できる訳ですからコストパフォーマンスも最高です。

塩化亜鉛には消費期限のようなものは無く、湿気に気をつければ、何年でも使用が可能です。
実際、当方の塩化亜鉛はすでに入手してから10年は経過していますが、全く品質に問題はありません。

ちなみに、まだ50グラムも減っていませんので単純計算で100年くらい持つことになります。
(私の場合は現在、常に塩化亜鉛を使っている訳では無いため減りが少ないというのもありますが。)

塩化亜鉛はどこにでも使える最高の代替品

口腔内ケアでは扁桃、耳、鼻、上咽頭、歯茎等、あらゆる部位を同時にクリーニングすることをポイントとしていますが塩化亜鉛水溶液はどこにでも使用が可能です。

基本的に炎症がある部分にのみに作用して(しみたりピリピリする)、正常な粘膜や皮膚には刺激がありません。
そのためどこにでも塗布が可能ですし、口臭抑制、炎症抑制にも高い効果を発揮します。

歯間ブラシに塩化亜鉛水溶液を浸して、歯の間を掃除すれば普通に歯間ブラシで掃除するよりも数倍のクリーニング効果があります。
始めの内はかなりの確率で歯茎から出血しますが、これは塩化亜鉛が効いているため、です。

馬油や重曹も基本的にはどこにでも使用出来る万能品なのですが、口臭抑制効果は塩化亜鉛程高くありません。
馬油と重曹では炎症を改善させる程の効果を上げることが出来ないケースが多いのですが、濃度の高い塩化亜鉛だと炎症をかなりの段階まで改善させることが可能で、食事、体内活性化、精神トレーニング等と合わせれば、完全に炎症を抑えてコントロールすることが可能になります。

アストリンゴゾールの場合には塩化亜鉛だけでなく様々な成分が入っており、口腔内には使用が出来ますが鼻や耳には使用しない方が無難です。

そのため、塩化亜鉛水溶液程の万能性は無く、長期的に使用を続けることはお勧め出来ません。

本当に塩化亜鉛は全ての部位に使えるのか?

Bスポット療法を進化させた6スポット療法というものがあります。
これは鼻腔全体・副鼻腔・鼻咽腔・上咽頭・扁桃・喉頭の6か所を中心に綿棒で塩化亜鉛を塗布する治療法で青山セントラルクリニックで治療を受けることが出来ます。

医院でこれだけ広範囲に塩化亜鉛を塗布する治療があるのですから、塩化亜鉛の万能性と安全性が分かっていただけるかと思います。

ちなみに、以前は6スポットは保険適用では無かったのですが、2017年現在は保険適用されているので、近くの方は一度、通院して6スポット療法を受けてみても良いかもしれません。
(現在は新規患者さんの受け付けをしていないようです。2019年更新)

⇒青山セントラルクリニックの詳細はこちら

1つ注意点として、6スポットのように口腔内全体に塗布をすると人によっては炎症の反応が強く出て、風邪のような症状が強く出ることがあります。
発熱、喉の痛み、体のだるさ等。

そのため、自分で塩化亜鉛水溶液を作って治療する場合には、アストリンゴゾールと同じように少しずつ濃度を上げるようにして下さい。
また、鼻に塩化亜鉛を塗布する場合には上鼻道のさらに上、嗅上皮という部分には塗布しないように注意して下さい。

稀に嗅覚障害を訴える方がいます。Bスポット療法で嗅覚障害を訴える方の多くはこの副作用です。これは一時的なものであり、時間が経過すれば嗅覚は元に戻ることが多いですが注意です。

逆に塩化亜鉛により鼻詰まりが解消したり、自律神経が正常化して嗅覚が戻ったという話の方が多いのでしっかりと正しい方法で治療出来れば副作用の心配はほとんどありません。