ガーゼ治療より手軽なお勧めの鼻ケア

ブレレボアルティメットのマニュアル本体では鼻のケアは馬油の点鼻、鼻うがいを紹介致しました。
しかし、鼻に炎症がある、後鼻漏がある、という場合にはこの方法だけでは症状がよくならない可能性があります。

鼻うがいや点鼻は最もお手軽に鼻のクリーニングが出来る反面、すぐに喉方面に馬油や水溶液が流れていってしまい、高い効果が期待出来ません。

鼻のケアとして有効な方法としてガーゼ治療を紹介していますが、この方法は時間がかかること、1回で消費するガーゼの量が多いこと、鼻の中に炎症箇所がたくさんあるとなかなかガーゼが鼻の奥まで入っていかない、というデメリットがあり、何か他に良い方法はないかという要望は多かったです。

⇒ガーゼ治療に関してはこちら

そこで、ここではガーゼ治療よりも時間を取られずに鼻の奥までケアが出来るお勧めの鼻のケア方法を紹介します。
鼻の膿汁も促されて、口臭改善効果も見込める方法です。

捲綿子クリーニング

捲綿子(けんめんし)という器具を使ってクリーニングをする方法です。
ルーツェ氏とも呼ばれます。

捲綿子とは非常に細長い棒のことで、医療器具としても使用されております。
入手自体はAmazon等のネットショッピングで可能です。

ここでは鼻のクリーニングに使用しますので鼻用を使いましょう。

捲綿子クリーニングのやり方

捲綿子にコットンやガーゼを巻き付けて、馬油等の有効成分を先端に塗って鼻に入れる。
基本は下鼻道の奥に入れて上咽頭、つまり喉まで捲綿子を通す。
喉まで捲綿子が通ったら、暫くそのままにする。(目安は5分~10分くらい)
その後、仕上げに捲綿子を前後に動かして軽く擦るような動作をする。
暫く擦ったら、捲綿子を鼻からゆっくり抜く。

ガーゼ治療との違いはコットンやガーゼを捲綿子に巻くことで、最初から鼻の奥まで治療することが出来ること、患部を擦ることが出来ることの2点です。

コットンの方が柔らかく鼻への刺激が弱く、ガーゼの方が刺激は強くなります。


この写真のコットンは8×14センチです。

コットンの長さが短いと鼻の奥で捲綿子からコットンが外れてしまった際に取り出すのが困難になります。

メイク落としシートの場合、5×6センチくらいのものが多いので長さ的に少し足りません。
6センチでは足りないので、縦、横どちらでも良いですが必ず7~8センチ以上あるものを選ぶようにしましょう。

コットンを巻いたら先端を折り曲げます。
こうしないと捲綿子がすぐに外れてしまって、鼻に入れた際に捲綿子の先端が鼻腔や喉に刺さる可能性があるので注意です。

こういう感じで折ります。ですので、この折る分を考慮してコットンが捲綿子から少し出るようにして巻くようにしましょう。
(この折った分、コットンは短くなりますので、それも考慮して長いコットンが必要になるのです。)

鼻の奥に捲綿子が入っていかない場合

炎症が酷い場合、鼻骨が湾曲していて鼻腔が狭い場合には、捲綿子が鼻の奥まで入っていかない場合があります。

この場合には巻くコットンの太さを調整して下さい。
例えば、当方が使っているコットンは8×14ですから14センチ分のコットンを捲綿子に巻いていくことになります。

太さ的にはそこまで太い訳ではないですが一般的な綿棒よりはかなり太いです。
鼻が詰まっている場合には私はこのコットンは鼻の奥まで入っていきません。

この場合、方法としては1枚のコットンをさらに薄く割く。
もしくはコットンを切って短くする、のいずれかの方法があります。

1枚のコットンをさらに薄く割く

コットンは大抵は数枚の層が重なっているので、それぞれ割くことが出来ます。
1枚の厚みが減れば当然捲綿子に巻いた際の太さも減りますから鼻に通しやすくなります。

コットンを切って短くする

コットンによっては層になって無くて、薄く割くことが出来ない場合があります。
ガーゼの場合も同様です。

この場合には切って短くすることで捲綿子に巻いた際の太さを減らすことが出来ます。
例えば当方の使用している8×14センチのコットンを半分に切って8×7センチにしてしまえば、巻いたときの太さは約半分になります。

このように太さを調節していき、鼻の奥まで入る太さにします。

基本的には割いて薄く出来る場合にはそちらの方法を選択して、それが出来ない場合には巻くガーゼの長さを短く切ると良いでしょう。

どれくらいの太さなら鼻を通過出来るかは鼻の構造や体調によりかなり変わりますので、都度調整すると良いと思います。

使用するケア用品

ケア用品としては主に2つ必要になります。

全体を濡らす水溶液と先端に塗るケア用品の2つです。

全体を濡らす水溶液

まずは捲綿子に巻いたコットンを水溶液に浸す必要があります。
これは捲綿子とコットンを密着させる作用、鼻に入れやすくする作用の2つの効果があります。

捲綿子を水溶液に浸さないと、うまくコットンが鼻に入っていきませんし、捲綿子からコットンが外れやすくなります。

必ず水溶液に浸すようにしましょう。

精製水でも構いませんが、より効果を求めるならば水溶液も殺菌作用があるものを使うことが望ましいです。

一旦、水溶液にコットン全体を浸して、しっかりとコットンを絞って下さい。
ここでは以下3つの水溶液をお勧め致します。

・シルバーソリューション

鼻ガーゼ治療でもお勧めしている水溶液です。
細菌、真菌の両方に殺菌作用があり、人体には影響を与えない非常に安全な物質が銀です。

この銀を水溶液に溶かしたものがシルバーソリューションです。

シルバーソリューションで重要になってくるのはppmです。
ppmとは銀の濃度を表しており、こちらのソリューションは500ppmとなっています。通常のシルバーソリューションは濃度が50分の1の10ppmです。

これは銀が水溶液に溶ける最大の数値が10ppmと言われているためです。
こちらのメーカーはわずかにカゼインを加えることで独自に高濃度の銀を含有させています。

そのため、濃度が強すぎますので、このまま使用するのではなく、精製水に混ぜて薄めて使用するのが基本となります。

基本的には本来のシルバーソリューション濃度の10ppmを基本として、鼻の調子がかなり悪く長年炎症を患っている場合には30ppm~50ppmくらいの濃度に増やすと良いと思います。
490mlの精製水にこちらのソリューションを10ml加えると10ppmのシルバーソリューションを500ml作ることが出来ます。

こちらの捲綿子クリーニング1回に必要な水溶液は約5MLにも満たないので、500MLあれば100回分くらいになります。
(ガーゼ治療に比べると、使う水溶液は半分以下です。浸すコットン、ガーゼが少ないためです。)

ソリューションは全部で120mlですから合計で1200回分となります。濃度を上げて50ppmにした場合でも240回分になります。

一般的なシルバーソリューションは10ppmの500MLで2000円程度ということを考えると、こちらのシルバーソリューションは非常に安価です。

MSMプレフィア

こちらは上咽頭炎の鼻うがい洗浄液として開発されたものです。

通常のプレフィアは殺菌作用のみですがこちらのMSMプレフィアは抗炎症作用もあるので、こちらのMSMプレフィアの方が優れています。

1本が150mlで概ね1ヶ月分です。これで1300円くらいするので少し割高です。
総合的にはシルバーソリューションの方が良いと思います。

塩化亜鉛水溶液

塩化亜鉛水溶液もこちらのクリーニングに使用出来ます。
そもそもBスポット療法は鼻から上咽頭にもアプローチしますので、それと大きくは変わりません。
ただし、捲綿子に巻かれるコットンをある程度の時間、患部に留めておくことがポイントなのでBスポット療法とは違い濃度はかなり薄めた方が良いです。

Bスポット療法の塩化亜鉛水溶液は1%が標準ですが、こちらのクリーニングでは0.1%以下を目安にして下さい。

・先端につけるケア用品(馬油)

水溶液だけだと鼻の中にうまく入っていきませんので(入らないことは無いですが)、潤滑油も必要になります。潤滑油として最も適しているのが馬油です。
殺菌作用、消炎作用もあるため、水溶液に浸した後は馬油を先端に付けるのが最もお勧めです。

こちらはノーマルのソンバーユです。
このソンバーユを捲綿子の先端に浸します。

後は片方の鼻に捲綿子を少しずつ入れていくだけです。
出来るだけコットンと捲綿子を指でつまみながら少しずつ鼻に入れていくようにしましょう。

この末端部分を持って鼻に捲綿子を入れていくのはNGです。
鼻をコットンが通る際に摩擦が起きますが、この末端を持っているとその摩擦の負担が全て捲綿子の先端にかかることになります。

するとコットンを突き破って先端が出てしまう可能性があり、細い棒の先端は鋭利ですから鼻や喉を傷付けてしまう可能性があります。
必ずコットンと捲綿子自体をつまみながら入れていくようにしましょう。コットン自体も押さえておけば、捲綿子の先端に負担がかかることがありません。

捲綿子をどんどん鼻に入れていくと、上咽頭にぶつかります。
そこまで入ったら暫くそのままにしておきます。この間に馬油やシルバーソリューションが患部に作用します。
膿が溜まっている場合には同時に膿も排出されます。鼻水も同時に出ますが。

ある程度、そのままにしておいて、仕上げに捲綿子を前後にずらして鼻と喉をコットンでやさしく擦るようにします。
これはBスポット療法と同じで擦ることで患部への作用をより効果的なものに出来るためです。(鼻腔は上咽頭よりもデリケートなのでやさしく擦るようにします。)

一通り擦り終わったら捲綿子とコットンをゆっくりと引き抜きます。

鼻に入れておく時間について

鼻にどれくらいの時間、コットンを入れておけば良いのかという疑問があるでしょう。
時間が長ければそれだけ馬油が浸透するので20分、30分置いておけるなら置いた方が良いです。

ただ、両方の鼻をやらないといけないですし、時間が無いときは上咽頭までコットンが届いたら、すぐに前後に動かして擦ってしまっても構いません。
擦ることで馬油は患部に浸透しますし、この刺激により膿汁を排出することも出来るためです。

コットンが鼻に残ってしまった場合の対処法

コットンの長さが短い場合、捲綿子への密着があまい場合には、捲綿子を引き抜く際に鼻の奥にコットンだけ残ってしまう場合があります。
この場合、喉側から取るか鼻側から取るかの2択になります。

喉側から取る場合には嘔吐反射が起こる可能性もあるので少し辛いです。
ですので、鼻側から取ることが望ましいです。

方法としてはピンセットを使います。鼻用のルーツェピンセットが望ましいです。


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こちらは鼻用のピンセットのため、かなり鼻の奥まで入れることが出来ます。
そのため、少し片鼻を抑えて鼻水を出すときのように鼻から息を抜けばコットンをピンセットでつまめます。