鼻をケアする方法として非常に有効な治療法がガーゼ治療です。
ガーゼ治療は創生の今井さん(薬剤師の方です。)という方が提唱した治療法でガーゼに薬品を浸して鼻に詰める、という治療法です。
今井氏がご高齢のため現在、創生は廃業となっています。
実質、ガーゼ治療を普及する人自体がいなくなったことになります。
ガーゼ治療の概要
ガーゼによって粘膜の癒着を改善させるには、患部に有効な薬品をしっかりと長い時間接触させることがポイントとなります。
これによって、鼻粘膜の再生を促していくことが主な目的になります。
慢性鼻炎や蓄膿の場合には鼻の粘膜が大変悪い状態になってしまっていることが多く、鼻うがいや鼻スチーム療法では到底改善させることは出来ません。
(鼻スチームとは簡単に言うと加湿器のような機械を使ってスチーム(霧のようなもの)を出し、鼻と喉をうるおして症状を和らげる療法です。)
耳鼻科にあるネブライザーも同様ですが、このようにスチームを鼻に送りこんでも粘膜が炎症を起こしてしまって中で癒着している場合には、有効成分は奥まで届きませんから効果を発揮させることが難しいのです。
治療には時間がかかる
ガーゼを鼻に入れて治療することによって少しずつ鼻の中がキレイになっていき、粘膜も再生されて症状が改善されていきます。
ただ、鼻の中は大変複雑な構造をしていて、大抵は患部が1つでは無く複数あります。
それぞれを全て改善させる必要がありますので、鼻に炎症がある場合には長い期間、治療が必要です。
鼻の炎症が軽い場合にはすぐに改善しますが、鼻づまりの自覚症状があったり、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎等の診断を受けている場合にはかなり根気強く治療をする必要があります。
炎症はそれぞれ全て治療する
ポイントは上鼻道、中鼻道、下鼻道、それぞれ全てをしっかりと治療することです。
始めは鼻のどこの部分にガーゼが入っているのかも分からないと思います。
入れるだけで精一杯かもしれません。
しかし、何度も治療を繰り返している内に、鼻の中でも上鼻道、中鼻道、下鼻道の3つの気道があって、自分はどの部分が特に悪いのか、等も分かってくるようになります。
鼻の様々な場所で炎症が起きていますので、それぞれを全てケアすることが本当に大事になってきます。
大抵は下鼻道の奥に強い炎症があることが多いです。
ガーゼ治療と口臭
当方も15年以上前に一度、ガーゼ治療を試したことがありました。
創生さんで注文したアンピシリン溶解液という抗生物質を使ってガーゼ治療をしました。
メールで質問したら丁寧に回答を頂けたのでとても印象は良かったのですが、結果としては半年の治療で口臭にはあまり効果が無かったため、その半年1回きりで止めてしまいました。
そして、その時の経験からガーゼ治療は口臭にはあまり効果が無いのだ、と思っていました。
しかし、このマニュアルで再三述べているように、口臭の原因は鼻だけではありません。
上咽頭、耳、扁桃が残っているのです。私のケースでは鼻以外に上咽頭炎、扁桃炎も患っていました。
そのため、いくら鼻だけをケアしても良くならなかったのです。
しかも鼻の治療もまだまだ甘いもので上鼻道、中鼻道、下鼻道と3つ全てをしっかりと治療した訳ではありませんでした。
他の部位にも炎症が広がっているケースは大変多い上に、鼻だけに限っても炎症ポイントがいくつもありますから、鼻に少しガーゼをいれて治療したくらいでは口臭が改善しないのはむしろ当然と考えた方が良いかもしれません。
それぞれを同時にケアしていくことが何よりも大事ですから、必ず、鼻、上咽頭、扁桃、耳の4つを同時にケアしていきましょう。
そして鼻のケアも必ず炎症のある部分の全てをケアするようにしましょう。
ガーゼ治療の実践
それでは、ガーゼ治療の具体的な方法について紹介します。
まず、必要なものは以下になります。
ガーゼ 薬品 薬品を浸すビーカー(小さな容器なら何でも可。) ピンセットが必要です。
・ガーゼ
ガーゼは医療用のガーゼなら基本的に何でもOKです。
大き目のガーゼパック(500円程度)を購入すれば1カ月分以上は持ちます。
幅、長さともに始めは短めで問題ありません。(始めは奥まで入っていかないため。)
目安としては幅3センチ、長さ30センチくらいで十分だと思います。
このガーゼを鼻に入れていく訳ですが、慣れてくると上記の長さだとガーゼが足りなくなってきます。
腫れが引いて奥の奥までガーゼが入るようになったら、もっと幅、長さを増したガーゼを詰めるようにします。慣れてくると倍の60センチ、最終的には1メートル以上必要になると思います。
この辺りは実践しながら感覚を掴んで下さい。
薬品
創生さんではアンピシリン溶解液をガーゼにしみ込ませる薬品として推奨しております。
アンピシリンとはペニシリン系の抗生物質の一種です。
抗生物質を口径摂取ではなく、直接患部に染み込ませることで、よりダイレクトに働きかけることが出来ます。口径摂取ではないため副作用や耐性菌の問題も少ないです。
しかし、当方の意見としては、やはり耐性菌の問題が懸念されること、長期間抗生物質を使うことは体の持っている本来の抵抗力を下げる可能性があるため避けたいこと、費用が高いこと等から、抗生物質の投与はお勧めしておりません。そこで、代替としてお勧めなのがシルバーソリューションです。
シルバーソリューションとは銀の溶解液です。
人体に有害な水銀とは全く別のもので純粋な銀は人体には完全に無害で、バクテリア、ウイルス、細菌に対しての優れた抗菌・殺菌効果があります。
かびや藻などに対してもその効果に持続性があり、その上抗生物質と異なり、バクテリア等に抗耐性を生じさせないという研究結果が出ています。
そのため、天然の抗生物質として注目されています。
このシルバーソリューションは見た目、完全に水溶液です。
基本的に無臭ですが、メーカーによってはわずかに香りを付けている場合もあります。
このシルバーソリューションを使ってガーゼ治療をしていきます。
お勧めのシルバーソリューション
(Natural Path Silver Wings, Colloidal Silver, 500 ppm, 4 fl oz (120 ml))
シルバーソリューションで重要になってくるのはppmです。
ppmとは銀の濃度を表しており、こちらのソリューションは500ppmとなっています。通常のシルバーソリューションは濃度が50分の1の10ppmです。
これは銀が水溶液に溶ける最大の数値が10ppmと言われているためです。
こちらのメーカーはわずかにカゼインを加えることで独自に高濃度の銀を含有させています。
そのため、濃度が強すぎますので、このまま使用するのではなく、精製水に混ぜて薄めて使用するのが基本となります。
基本的には本来のシルバーソリューション濃度の10ppmを基本として、鼻の調子がかなり悪く長年炎症を患っている場合には30ppm~50ppmくらいの濃度に増やすと良いと思います。
490MLの精製水にこちらのソリューションを10ML加えると10ppmのシルバーソリューションを500ML作ることが出来ます。
ガーゼ治療1回に必要な水溶液は約10MLですので、これで50回分となります。
ソリューションは全部で120MLですから合計で600回分となります。50ppmにした場合でも120回分になります。1日1回の治療なら前者だと1年半以上、後者でも4カ月分にもなります。
一般的なシルバーソリューションは10ppmの500MLで2000円程度ということを考えると、こちらのシルバーソリューションは非常に安価です。
ガーゼ治療の具体的なやり方
細長いガーゼにシルバーソリューションを浸します。しっかりと絞って下さい。
びしゃびしゃのまま、鼻に入れても結局、鼻に入れている間に余分な水溶液は押し出されて外に流れ出てしまいますし鼻の奥に水溶液がたくさん流れると浸透圧の関係で痛いです。
必ず、しっかり絞ってから鼻に入れるようにしましょう。
ガーゼはピンセットを使って鼻に入れていきます。
ガーゼを入れる前に潤滑油、および止血用として馬油を使用することをお勧め致します。
ガーゼを入れる際にそのまま入れようとしてもうまく入らない可能性があるため、まず綿棒を使って馬油を鼻に塗っておくと良いのです。
馬油には優れた止血作用もありますので、ガーゼが鼻腔内で擦れた際の出血防止にもなります。
また、馬油自体に抗炎症作用、細菌類を油の中に閉じ込める作用もありますから、馬油自体に鼻の炎症を改善するパワーがあります。
シルバーソリューションの代わりに馬油でガーゼを浸しても良いのですが、これはコストを考えると高すぎるためお勧めは出来ません。
両方の鼻をケアするにはそれぞれ1つの細長いガーゼを使いますから、合計で2つのガーゼに満遍なく馬油を染みわたる必要があります。これにはおおよそ10MLの馬油が必要になります。
馬油(ソンバーユ)で70MLで1200円程度ですから、1回あたりで約200円近くかかることになります。1カ月で5000円を超えますので、継続するには割高過ぎると思います。
そのため、馬油は潤滑油として鼻に初めに軽く塗るようにして、ガーゼに浸すメインはシルバーソリューションをお勧めしています。ガーゼを鼻に詰めて30分~1時間経過したら取りだすようにして下さい。
両方の鼻にガーゼを詰めても良いのですが鼻での呼吸が出来なくなりますから、私は片方ずつの治療をお勧めします。
治療中のポイントとしてはガーゼを詰めた後、鼻を強く押さえてガーゼがより鼻に密着するようにすることです。
これを怠り、ただガーゼを鼻に入れているだけでは効果は半減してしまいます。
必ず、鼻を押さえてガーゼと鼻の粘膜をより密着させるようにして下さい。
こうすることによって鼻の粘膜の癒着が取れて、炎症が改善していきやすくなります。
ガーゼ治療の回数
ガーゼ治療は創生さんでは1日に何度でもやった方が良いということになっておりますが、当マニュアル内の位置づけとしてガーゼ治療は口内クリーニングの一部に過ぎません。
他に扁桃のクリーニングや上咽頭のBスポット治療、耳の治療、と口内クリーニングだけでも実践することがたくさんありますし、口腔内クリーニング自体の重要性がマニュアルの中ではそこまで高くは無く、体内活性化や精神トレーニングの方が重要なのです。
そのため、このガーゼ治療は1日1回を目安にすると良いと思います。
もちろん、何度も実践すればある程度効果が高まることは間違いありませんが、大事なことは継続して毎日続けることです。
1日に5回治療して次の4日間は治療しない、となりますと、鼻は元の炎症状態にすぐに戻ってしまうのです。1日に1回、時間のある時に実行するようにして下さい。
朝は難しいと思いますので、寝る前等が良いかもしれません。
ガーゼ治療は口腔内クリーニングの中でもやり方も分かりにくく難しいと思います。
特にやり始めは勝手が分からないのでかなり時間がかかるかもしれません。
鼻には上鼻道、中鼻道、下鼻道の3つの通り道があり、感覚的にどこにガーゼが入っているかが分かるようになるまでには時間が必要です。
何度も治療をしているうちに分かるようになってきます。
ガーゼ治療の実践動画
最後にガーゼ治療のやり方について説明している動画を紹介致しますので参考にして下さい。